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2007.05.09
低濃度のホルムアルデヒド暴露によって起こるラットの反応
Brain Res. 2001 Apr 20;898(2):314-20.
低濃度ホルムアルデヒドを繰り返し曝露されたラットは基準のコルチコステロン値が上昇しコルチコステロン応答が促進される
モデル動物実験をやっている論文をみつけました。
1.要旨
低濃度の揮発性有機化合物の曝露は、視床下部下垂体副腎系中枢(HPA)の機能変化によって、ヒトで報告されている多種類性化学物質過敏症(MCS)を起こすのかもしれない。
低濃度ホルムアルデヒドを繰り返し曝露されたラットは基準のコルチコステロン値が上昇しコルチコステロン応答が促進される
モデル動物実験をやっている論文をみつけました。
1.要旨
低濃度の揮発性有機化合物の曝露は、視床下部下垂体副腎系中枢(HPA)の機能変化によって、ヒトで報告されている多種類性化学物質過敏症(MCS)を起こすのかもしれない。
我々は、繰り返しホルムアルデヒドを曝露したとき、MCSモデルラット(人工的にMCSを発病させたラット)においてコルチコステロン値が変化するか否かを実験した。
(コルチコステロン=副腎皮質から分泌される糖質コルチコイド活性を有するステロイド)
オスのSprague-Dawleyラットに空気又はホルムアルデヒド(0.7 or 2.4 ppm)を小箱内で急速に曝露させた後、20分と60分後に胴体の血液を採取した。
(Sprague-Dawley=ラットの種類)
(空気=対照実験)
結果は、すべてのグループ(空気でもホルムアルデヒドでも)で、20分後にコルチコステロン値が上昇し、60分後に元に戻った。つまり、全てのグループで違いがなかった。
2番目の実験では、空気又はホルムアルデヒドを毎日1時間、週に5回、それを2又は4週間というスケジュールで曝露させた。
結果は、空気でも0.7 ppmのホルムアルデヒドでも、2週間後のコルチコステロン値が上昇していた。
一方、4週間後では空気曝露のグループではコルチコステロン値が元に戻ったが、0.7 ppmのホルムアルデヒド曝露のグループではまだ上昇したままだった。
2.4 ppmのホルムアルデヒド曝露のグループでは、コルチコステロン値に変化がなかった。
2又は4週間の空気又は0.7 ppmホルムアルデヒド曝露グループの最後の曝露後、コルチコステロン値は急速曝露時の反応と同じようであったが、一方、2.4 ppmのホルムアルデヒド曝露のグループでは、急速曝露時と比べてコルチコステロン値が上昇した。
これらの結果から、HPA中枢の反応性の促進は、ホルムアルデヒド曝露後に起こることが示唆される。
これらの知見は、HPA中枢機能の変化は、低濃度ホルムアルデヒドの繰り返し曝露の後起こっており、このメカニズムはヒトのMCSを引き起こす原因かもしれないことを示唆している。
2.私なりの考察
(1)MCSのヒトで化学物質曝露前後のコルチコステロン値を測ってみたらいいのではないか。
これは、MCSの診断にも使えるかもしれない。
(2)コルチコステロン上昇がMCSの症状の原因の一つだろうか。
だとすれば、コルチコステロン合成阻害剤が、MCS治療薬になるかもしれない。
★コルチコステロン高値を示す主な病態・疾患
コルチコステロン産生副腎皮質腫瘍、異所性ACTH産生腫瘍、17α-水酸化酵素欠損症、アルドステロン合成酵素欠損症、卵胞ホルモン投与など
その治療薬
★メトピロンカプセル(メチラポン)
[効]ヒドロコルチゾン,コルチコステロン,アルドステロンの生合成の過程で11β位水酸化を特異的に阻害。
(3)この論文で使われたラットをさらに長期的に飼育し、他の病気が発症するか否かを調べる必要性を感じた。
以上はあくまでも私個人の、「かもしれない」と思った考察です。
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ともあれ、診断と治療への希望が見えてきたぞ!
(コルチコステロン=副腎皮質から分泌される糖質コルチコイド活性を有するステロイド)
オスのSprague-Dawleyラットに空気又はホルムアルデヒド(0.7 or 2.4 ppm)を小箱内で急速に曝露させた後、20分と60分後に胴体の血液を採取した。
(Sprague-Dawley=ラットの種類)
(空気=対照実験)
結果は、すべてのグループ(空気でもホルムアルデヒドでも)で、20分後にコルチコステロン値が上昇し、60分後に元に戻った。つまり、全てのグループで違いがなかった。
2番目の実験では、空気又はホルムアルデヒドを毎日1時間、週に5回、それを2又は4週間というスケジュールで曝露させた。
結果は、空気でも0.7 ppmのホルムアルデヒドでも、2週間後のコルチコステロン値が上昇していた。
一方、4週間後では空気曝露のグループではコルチコステロン値が元に戻ったが、0.7 ppmのホルムアルデヒド曝露のグループではまだ上昇したままだった。
2.4 ppmのホルムアルデヒド曝露のグループでは、コルチコステロン値に変化がなかった。
2又は4週間の空気又は0.7 ppmホルムアルデヒド曝露グループの最後の曝露後、コルチコステロン値は急速曝露時の反応と同じようであったが、一方、2.4 ppmのホルムアルデヒド曝露のグループでは、急速曝露時と比べてコルチコステロン値が上昇した。
これらの結果から、HPA中枢の反応性の促進は、ホルムアルデヒド曝露後に起こることが示唆される。
これらの知見は、HPA中枢機能の変化は、低濃度ホルムアルデヒドの繰り返し曝露の後起こっており、このメカニズムはヒトのMCSを引き起こす原因かもしれないことを示唆している。
2.私なりの考察
(1)MCSのヒトで化学物質曝露前後のコルチコステロン値を測ってみたらいいのではないか。
これは、MCSの診断にも使えるかもしれない。
(2)コルチコステロン上昇がMCSの症状の原因の一つだろうか。
だとすれば、コルチコステロン合成阻害剤が、MCS治療薬になるかもしれない。
★コルチコステロン高値を示す主な病態・疾患
コルチコステロン産生副腎皮質腫瘍、異所性ACTH産生腫瘍、17α-水酸化酵素欠損症、アルドステロン合成酵素欠損症、卵胞ホルモン投与など
その治療薬
★メトピロンカプセル(メチラポン)
[効]ヒドロコルチゾン,コルチコステロン,アルドステロンの生合成の過程で11β位水酸化を特異的に阻害。
(3)この論文で使われたラットをさらに長期的に飼育し、他の病気が発症するか否かを調べる必要性を感じた。
以上はあくまでも私個人の、「かもしれない」と思った考察です。
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